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カタハガイ

カタハガイ
川底に体の大部分を沈ませて潜むカタハガイ(福岡県)

大型の淡水二枚貝であるイシガイの仲間で、流れの速い砂礫底の水路などに生息します。九州ではおそらく菊池川流域が分布の南限域で貴重な個体群ですが、絶滅寸前と思われます。全国的に減っていることから、現在では種の保存法に基づく特定第二種国内希少野生動植物種に指定され、売買等は禁止されています。

表面に放射状の模様があり、後縁に向かって広がる平たい長卵形が特徴で、特に若い個体では上部が褐色になります。ただし大型個体は黒色です。また内部のかみ合わせ部分にある2つの突起のうち、「後側歯」という部分が発達せず「片歯」に見えることから、これが名前の由来になっています。

カタハガイ
カタハガイの成体(大分県産)

カタハガイは流水性のタナゴ類(例えばセボシタビラアブラボテ)の産卵母貝になります。産み付けられた卵は、稚魚になるまで貝の中で安全に成長します。タナゴ類はこのように、大変合理的な生態を持っていますが、産み付ける貝がいなくなると繁殖できなくなるという、致命的な宿命を背負っています。

カタハガイに産み付けられたタナゴ類の稚魚
カタハガイに産み付けられたタナゴ類の卵が発生して稚魚になっている様子(黒い眼が見えます)(大分県産)