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コガタノゲンゴロウ

コガタノゲンゴロウ
カマキリ類を食べるコガタノゲンゴロウ(熊本県)

九州の水田や湿地でもっとも目立つゲンゴロウ類といえばこのコガタノゲンゴロウです。「コガタ」の名前がついていますが、決して小さくはありません。(ナミ)ゲンゴロウに比べて小さいだけです。1990年代までは九州北部ではきわめて珍しい種類でしたが、2000年代以降急速に増加して普通にみられる種類となりました。また最近では本州でも発見例が増えており、分布が北上しています。これは人為的な地球温暖化の影響で冬季の温度が上昇し、死亡率が低下したことが原因であると考えられています。

せわしなく泳ぎ回るコガタノゲンゴロウ(熊本県)

コガタノゲンゴロウの成虫は肉食ですが、生きた生物を襲うことはほとんどありません。活発に泳ぎ回って、死んだ生物や弱った生物などを探してその肉を食べます。

一方で、ゲンゴロウなど甲虫類全般にいえることですが、幼虫はまったく異なる姿形をしています。幼虫は鋭い牙を持ち、獰猛な性格です。

コガタノゲンゴロウ幼虫
コガタノゲンゴロウの幼虫(熊本県産)
タガメの幼虫を捕食するコガタノゲンゴロウの幼虫(熊本県)

コガタノゲンゴロウの幼虫は基本的に生きた小動物しか食べません。待ち伏せして、あるいは泳ぎ回って、目の前を通過した昆虫類やオタマジャクシなどに鋭い牙で噛みつきます。その後は牙の先端から消化酵素を注入して、肉を溶かして食べるのです。

幼虫は初夏に多くみられますが、十分に成長した幼虫は上陸して陸上で蛹になります。土中で羽化した成虫は夏の終わりには再び水中に戻ってきます。