
カスミサンショウウオは黄土色で尻尾が橙色をしています。近年の研究により九州の固有種であることがわかりました。菊池川流域でも生息が確認されていますが、現状については不明です。低山地に生息し、早春に、森林と隣接した閉鎖的な浅い湿地で産卵しますが、そのような場所が減っているために生息地全域において著しく減っています。加えて、侵略的外来種であるアライグマからの食害を激しく受けていると考えられます。本種の未来はあまり明るくありませんが、一方で、人為的に産卵場所を再生させると増えることも知られています。今後本種を守っていくためには、人為的な環境再生も含めて、多角的に対策する必要があるでしょう。

産卵期は1~3月頃で、普段は森林で暮らしている親は湿地にやってきて、1個体の雌は1対のバナナ状の卵嚢(らんのう)を生みます。中にたくさんの卵が入っています。産卵後の親は再び森林に戻ります。卵から孵化した幼生は5月くらいまでには上陸して、親と同様に山で暮らします。つまり本種が生きていくには、森林と湿地がセットである必要があります。