「玉名(たまな)」は、熊本県北部に位置し、菊池川流域を中心とする地域です。豊かな水資源に恵まれた菊池川をはじめ、周囲には山地や有明海といった多様な自然環境が広がり、人と自然が共に生きてきた歴史があります。
しかし近年、この地域でも自然環境の変化が顕著になりつつあります。とりわけ水辺の生態系では、水生生物の減少をはじめとする生物多様性の劣化が深刻な課題となっています。
一方で、世界では「ネイチャーポジティブ」、「SDGs(持続可能な開発目標)」、「ワンヘルス」など、自然と共に歩む持続可能な社会づくりが大きな潮流となりつつあります。物質的な繁栄だけでなく、自然環境やいのちの多様性に目を向けることが、真に健全で豊かな人類の未来につながる――そんな価値観が広がっています。
本ウェブサイトでは、そのような流れを受けて、玉名地域や菊池川水系に息づく「水と水辺の生きものたち」を、マルチメディアを通して紹介します。特に、最新技術を活用して制作された生物の3Dモデルは、細部まで再現された見応えのあるコンテンツとなっています。
どうぞ気軽にご覧いただきながら、自然の美しさや生物多様性のかけがえのなさを、少しでも感じていただければ幸いです。そして、開発が進む熊本各地において、私たちがどのようにして自然と共に暮らしていけるのか――そのヒントを見つけるきっかけとなればと願っています。
私たちは、「経済発展」と「自然環境・生物多様性保全」は必ずしも対立するものではないと考えています。ほんの少しの知恵や工夫があれば、両者はきっと共存できる。そう信じて、この取り組みを進めています。
なお、国内外からの外来種については、コイ以外は取り上げませんでした。そのため本図鑑だけでは淡水魚類すべてを網羅しておりませんのでご了承ください。また、ヌマムツとカワバタモロコは菊池川水系にはおそらく分布しません。歴史的に縄文海進の影響を受けたためかもしれません。