
バラタナゴは平たく丸い体が特徴で、繁殖期のオスはその名の通り鮮やかな赤みを帯びた「薔薇色」になります。主に流れのない水路や池などに生息しています。バラタナゴには2つの亜種、ニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴがあり、ニッポンバラタナゴは日本の在来種ですが、タイリクバラタナゴは中国大陸から人が持ち込んだ外来種です。ニッポンバラタナゴは、腹ビレの前縁に白い線が見られません。また、エラ上部から伸びる側線がほとんど目立ちません。

一方、タイリクバラタナゴは、腹ビレの前縁が白くなり、エラ蓋上部から後方へ伸びる側線が目立ちます。
この2亜種は簡単に交雑するため、いわゆる遺伝的攪乱の問題が生じています。ニッポンバラタナゴの遺伝子がタイリクバラタナゴの遺伝子による侵入をうけて雑種個体群が形成され、その在来性を失ってしまう問題です。国内の多くのバラタナゴ個体群は雑種化してしまっており、菊池川流域でも純粋なニッポンバラタナゴは絶滅寸前です。
外来種のタイリクバラタナゴは今でもペットショップなどで売られている様子が確認されますが、買ってきた個体を野外へ放つことは純粋なニッポンバラタナゴを絶滅させることにつながります。絶対に放流をしないようにしましょう。
バラタナゴも他のタナゴ仲間と同様に、生きた二枚貝に産卵します。特にヌマガイやミナミタガイなどの大型の止水性二枚貝を好むようで、そのため繁殖期のメスはかなり長い産卵管を伸ばします。